子どもに関わり過ぎて、毒親にならない。
気持ちが折れない禅の週間
著者:枡野 俊明
親子の「かかわり方改革」に着手する
子どもをもつ親たちに、子どもはいつかが一番可愛いと思えたか、という質問をしたら、どんな答えが返ってくるでしょうか。
実際に統計をとったわけではありませんが、たしかなことはいえませんが、「1歳から3歳」という答えがもっとも多いような気がします。もちろん、子どもが可愛いという気持ちは、その後も変わらないのだと思いますが、成長するにつれて、かかわり方が難しくなってくるのは、
親の誰もが感じているところではないでしょうか。「近頃、ちっともいうことを聞かなくなった。口ごたえはするし、叱れば、そっぽを向く。まったく、どうかかわったらいいかわからない」
子どもの年齢がいくつであれ、そのときの親子関係は、生まれてからそれまでのかかわり方の、"集大成”です。まさにケース・バイ・ケースですから、いい関係にもっていく方法は、それぞれが考えるしかないのですが、そのとっかかりになる提案を一つしたいと
思います。
週に一度は家族全員が顔を合わせて食事をする。これがわたしの提案です。家族構成によっても違うと思いますが、家族がそろって食卓につき、食事をする機会はほとんどない、という実情ではないでしょうか。
親が忙しいのはもちろんですが、子どもも中学生、高校生になれば、部活や塾、習い事などで、けっこうスケジュールは過密です。
家族の食事をする時間がマチマチになるのも仕方のないでしょう。そのなかで、あえて、週1回の家族での食事をルールにするのです。
それぞれが繰り合わせれば、いっしょに食事にする時間をつくることは可能なはずです。子どもたちから文句が出ても、ここからは、親の"職権”を行使してかまわない、とわたしは思っています。
子どもの成長に伴い、段々と子どもと一緒に食事をする機会が少なくなってしまいます。
子どもが大学生や社会人になるまでにあと何回、一緒に食事が取れるのか。
そんなことを考えると、少し寂しい気持ちにもなります。
逆にまた親として、子育てに開放される安堵感も持ち合わせています。
夏休み、コロナの自粛期間では、子どもとの距離が近いぶん、よりその気持ちが強くなりますね。
昼御飯と晩御飯を用意しないといけないということは、とっても大変なことです。
さすがにコロナの自粛期間中は昼は私、夜は妻が作って、役割分担をしていましたが、
子どもの食事の準備は、エンドレスです。
子どもが毎食、おいしそうに食事をパクパクと食べてくれれば、少しは作りがいがあるかもしれませんが。
好き嫌いもありますし、仕方がありません。
子どものときの自分もそうでしたから。(笑)
数年前から学校にクーラーが設置したおかげで、夏休みが短縮されたのは、唯一の救いです。
学校のクーラーは、親の救世主といってもいいでしょう。
なにはともあれ、この暑い間は、子育てに熱心にならず、ほどほどでいいのでは。
受験生を除いて、夏休みはゆっくりと過ごし、夏バテにならないように少しだけ部活、勉強、習いごとを頑張ってみる。
猛暑で頑張っても、集中力がもたない。
9月以降にむけて、少しずつギアが入れば、良しとする。